赤いパームナッツスープの中央に白身魚とえびを盛り、黄色いキャッサバの主食を添えたバンガスープ
🔪下準備30分
🔥調理1時間
🌍料理ナイジェリア料理

バンガスープの作り方|ニジェール・デルタのパームナッツスープ

27分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 6

魚介と香味野菜を準備する

所要時間約10分

手順1: 魚介と香味野菜を準備する

白身魚は4cm角に切り、えびは背わたを取って水気を拭きます。

玉ねぎ、パプリカ、唐辛子、しょうが、にんにくを粗く切り、ミキサーか乳鉢で大さじ3の水と一緒に粒が少し残るペーストにします。

魚の表面が濡れているとスープが薄まりやすいため、ここで水気を残さないのがコツです。

STEP 22 / 6

濃縮液を水でなめらかにする

手順2: 濃縮液を水でなめらかにする

厚手の鍋にパームナッツ濃縮液400gと水450mlを入れ、中火で5分混ぜます。

塊がなくなり、スプーンから薄いリボン状に流れれば次へ進みます。

底をこすっても濃縮液が貼りつく場合は、火を弱めて水を50mlだけ足します。

STEP 33 / 6

油が浮くまで煮詰める

手順3: 油が浮くまで煮詰める

中火で20〜25分、ふたをせずに煮ます。

最初は大きな泡が立ちますが、水分が減ると泡が細かくなり、表面の縁に赤橙色の油が浮きます。

木べらで鍋底をなぞった時に一瞬だけ跡が見え、液がすぐに戻る濃さが目安です。

STEP 44 / 6

香味、乾物、スパイスを重ねる

手順4: 香味、乾物、スパイスを重ねる

香味野菜のペースト、干しえび粉15g、バンガスパイス小さじ2、赤パーム油小さじ2を加えます。

中弱火で8〜10分煮て、玉ねぎの青い匂いが消え、鍋の表面に油が細く戻れば十分です。

ここで水っぽければ、魚を入れる前に5分ずつ煮詰めます。

STEP 55 / 6

魚とえびを最後に煮る

手順5: 魚とえびを最後に煮る

白身魚を重ならないように並べ、えびを加えて弱めの中火にします。

ふたをして8〜10分煮、魚の中心が透けず、身が箸でほぐれる状態にします。

魚を返す時は木べらでかき混ぜず、鍋を前後にゆすります。

魚介の中心温度は63℃を目安にしてください。

STEP 66 / 6

葉を入れて、濃さを決める

手順6: 葉を入れて、濃さを決める

スイートバジル10gをちぎって加え、塩4gを少しずつ入れ、弱火で1分だけ煮ます。

火を止めた時にスープが具材へまとわり、鍋を傾けるとゆっくり流れれば完成です。

重すぎる時は水を大さじ1ずつ足し、薄い時は魚を取り出して5分煮詰めます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
15品目

買い出しの前に

4人分の基本形です。

生のパーム果実ではなく、アフリカ食材店や輸入食材店で見つかるパームナッツ濃縮液を使います。

バンガスパイスが手に入るなら加えますが、最初から全ての現地香辛料をそろえる必要はありません。

材料 分量 代替・確認点
パームナッツ濃縮液 400g パーム果実の抽出液。ココナッツミルクや赤パーム油だけでは代用できない
450ml 濃い場合は追加で50mlずつ足す
白身魚の切り身 400g ナマズ、たら、すずきなど。4cm角に切る
むきえび 120g なくてもよい。魚を合計520gに増やす場合は火入れを分ける
干しえび粉 15g(大さじ1) 粉末クレイフィッシュの代わり。甲殻類アレルギーがあれば省略
玉ねぎ 150g(1個) 粗く切る
赤パプリカ 100g(1/2個) 赤ピーマンでもよい
赤唐辛子 1〜2本(10g) 辛さを控えるなら1本、または省略
しょうが 10g 皮をむいて薄切り
にんにく 1片(5g) 香りを軽くしたい時は省略
バンガスパイス 4g(小さじ2) 入手できれば使う。ない場合は省略し、別の粉を足して埋めない
赤パーム油 10ml(小さじ2) 濃縮液から油が十分に浮く商品なら省略
スイートバジル 10g ベレティエンがあれば本場寄り。苦みのある葉なら量を半分にする
4g(小さじ2/3) 濃縮液、干しえびの塩分を見て最後に調整
白ごはん 600g(炊飯後) エバ、フフ、ヤム、キャッサバのスターチでもよい
パームナッツ濃縮液、赤パーム油、白身魚、えび、干しえび、唐辛子を並べた材料
バンガスープの材料。濃縮液と魚介に、赤い油と乾物の香りを重ねる
メモ

パームナッツ濃縮液は赤パーム油で置き換えない

パームナッツ濃縮液は、果実の繊維と水分から作った濃い抽出液です。

赤パーム油は調理油なので、色と香りは足せても、スープに厚みを作る主材料にはなりません。

濃縮液を見つけられない場合は、バンガスープではなく、赤パーム油を使った別の魚介シチューとして作る方が正確です。

濃縮液が見つかり、さらに赤い色と土っぽい香りを足したい人だけ、赤パーム油を小さじ2使います。

買う前に、リンク先で「食用」の表示、内容量、商品名がレッドパームオイルであることを確認してください。

濃縮液だけで表面に油が浮きそうなら、この油は足さなくてかまいません。 普段の炒め油として使い切る見込みがなければ、今回は買わない方がよい材料です。

アレルギーと衛生上の注意

魚、えび、干しえびを使います。 甲殻類を避ける場合は、えびと干しえびを省き、魚を520gに増やしてください。 魚介は購入後すぐに冷蔵し、生の魚介を扱った包丁とまな板は洗剤と熱い水で洗ってから他の食材に使います。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
155
kcal
8.5g
タンパク質
10.8g
脂質
6.0g
炭水化物
1.3g
食物繊維
320mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド
赤パーム油 レッドパームオイル
赤パーム油 レッドパームオイル
リサーチ日時:2026年8月3日

赤い油が浮くまで、鍋はまだ途中

缶入りのパームナッツ濃縮液を鍋へあけると、最初は甘い木の実のような香りが立ちます。

水でのばした液体は、まだ薄いオレンジ色です。

中火で煮るうちに水分が減り、表面の赤橙色の油が輪になって浮いてくる。

その瞬間、魚を入れる前の鍋が、バンガスープらしい濃さへ変わります。

バンガスープ(Banga Soup)は、ナイジェリア南部のニジェール・デルタで食べられる、パーム果実の抽出液を使った濃厚なスープです。

魚、えび、干し魚、干しえびを重ねる家庭も多く、すくった一口に海の香りと油の丸みが同時に入ります。

日本の台所で最初に迷うのは、珍しい香辛料の数ではありません。

パームナッツの濃縮液と赤パーム油を同じものだと思わないこと、魚を最後に入れて崩さないこと、濃さを油の浮き方で判断することです。

この三つを守れば、現地の生のパーム果実を搾らなくても、料理の骨格は残せます。

赤橙色のスープに白身魚とえびを盛ったバンガスープ
パームナッツの濃厚なスープに魚介を合わせるバンガスープ
呼び方について

バンガスープは、ウルホボの言葉では Oghwoamiedi、イソコでは Izuwoibiedi と呼ばれます。 イボ系の Ofe Akwu と共通する部分もありますが、地域で香辛料と合わせる主食が変わります。 日本語では「バンガスープ」と書きます。

バンガの由来と、ニジェール・デルタの食卓

ナイジェリア国立文化オリエンテーション研究所(NICO)は、バンガスープをデルタ州の料理として挙げています。 NICOの州別料理一覧には、同じ州の料理としてバンガライスも並び、バンガが単独の汁物ではなく、地域の食卓を組み立てる味であることが見えてきます。

ニジェール・デルタの食卓に魚介が多いのは、料理人が海の味を後から足したからではありません。

川と湿地に囲まれた地域で、淡水魚、えび、干し魚、ペリウィンクルなどが手に入りやすく、それがスープの具として選ばれてきました。

現地の食文化を紹介する ConnectNigeria は、ウルホボの Oghwoamiedi、イソコの Izuwoibiedi と地域名を分け、ベレティエンの葉、アタイコ、オブルンベベの棒などが香りを作ると説明しています。

一方、南東部のイボ系には Ofe Akwu があります。

どちらもパーム果実の抽出液を使いますが、デルタ風のバンガはウシと呼ばれるキャッサバの濃い主食と合わせ、Ofe Akwu は白いごはんやヤムと食べる説明が多い。

在ルーマニア・ナイジェリア大使館の料理紹介も、バンガスープを南部でよく食べる料理とし、主食にはスターチ、時に白米を合わせると紹介しています。

名前が似ているからといって、どちらかを「本物」、もう片方を簡略版にする必要はありません。

地域の魚、葉、香辛料、主食が違えば、同じパーム果実のスープでも食卓の姿が変わる料理です。

ナイジェリア南部の食卓を思わせる器にバンガスープ、魚、キャッサバの主食を並べた場面
バンガスープは魚介とキャッサバの主食を合わせて食べる

生のパーム果実を搾る方法と、缶を使う方法

デルタ州立大学の研究者が発表したバンガスープの調理記録では、パーム果実を煮てから乳鉢でやさしくつぶし、熱湯を加えてこし、抽出液を煮詰めています。

FUPRE Journal of Scientific and Industrial Researchの論文では、抽出液の表面に油が浮くまで加熱し、玉ねぎ、唐辛子、干しえび、バンガの香辛料を加え、魚と葉を後から入れる流れが記録されています。

ただし、日本で生のパーム果実を探し、煮て、繊維をこして一鍋分の液を作るのは簡単ではありません。

そこで缶入りのパームナッツ濃縮液を使います。

缶は現地の工程をそのまま再現するものではなく、抽出と濾過を済ませた材料です。

生果実を使う料理の手間を省く代わりに、缶の濃さと塩分には商品差があるため、水は最初から全量入れず、鍋の粘度を見て足します。

濃さと香りを決める三つのコツ

油の浮き方を完成の合図にする

バンガスープの表面に油が浮くことは、単に見た目の変化ではありません。

濃縮液の水分が減り、パーム果実の脂と煮汁が分かれ始めた合図です。

油が浮く前に魚を入れると、魚の水分で鍋がさらにゆるくなり、魚を煮すぎる原因になります。

とろみ粉で急に濃くしない

水っぽい時に片栗粉を入れると、表面の油と魚のだしが別々に感じられます。

魚を取り出してから、ふたをせずに5分ずつ煮詰める方が、パームナッツの香りを保てます。

反対に煮詰めすぎた時は、水を50mlずつ足して弱火で戻します。

乳鉢を買うかは、次に作る料理で決める

一度だけ作るなら、香味野菜はミキサーで十分です。

ただし、粒の干しえびや唐辛子、アタイコを粗くつぶす場合は、乳鉢の方が香りの粒を残しやすくなります。

バンガスープに加えて、アカラアバチャのように乾物や豆をつぶす料理を続けるなら、乳鉢の出番があります。

リンク先では、花崗岩製の器とすりこぎがセットか、食品に使える素材か、収納できる重量かを確認してください。

粉末の干しえびと市販ペーストで一回だけ試す段階なら、ミキサーで十分です。

スプーンの跡がゆっくり戻る濃度になったバンガスープの鍋肌
スプーンの跡と表面の油で濃さを判断する

ニジェール・デルタの主食と日本の代替

スープの味が決まっても、何ですくって食べるかで印象が変わります。

デルタ地方で合わせる Usi は、キャッサバから作る黄色く粘りのあるスターチです。

濃いバンガを少量ずつからめるため、さらさらの汁を飲む料理とは食べ進め方が違います。

エバやフフもよく合いますが、初回は白ごはんで問題ありません。

白米に合わせると、南東部の Ofe Akwu に近い食卓の組み立てになります。

主食 食感と役割 日本での判断
Usi、デルタスターチ 黄色く粘り、濃いスープを少量ずつ受け止める アフリカ食材店で見つけた時に試す
Eba ガリに熱湯を加えた、ほろっとしたキャッサバの主食 手に入れば現地の食べ方へ寄せやすい
フフ なめらかで弾力があり、スープを包む 市販ミックスは袋の加水量に従う
白ごはん 具とソースの味が分かりやすい 初回の標準。魚の火入れに集中できる
ゆでヤム、ゆでいも ほくっとした食感で油の重さを受ける 白米の代わりに家庭で用意しやすい

キャッサバの主食を探す時は、粉の名前だけでなく、フフ用かガリ用かを商品説明で確認します。

「キャッサバ粉」と書かれていても、ウシのような粘りがそのまま出るとは限りません。

スープを手で少量ずつ食べる食卓へ寄せたい人には、現地の主食を探す価値があります。

主食のためだけに大袋を買い、使い道が一度きりになりそうなら、白ごはんかゆでいもで始める方が無理がありません。

五つのアレンジで鍋を次の一食へ

バンガスープは、具材を増やすほどよい料理ではありません。

濃縮液の丸み、乾物のうま味、葉の香りのどれを前へ出すかを一つ選ぶと、残り物も別の皿へ動かせます。

  1. 白身魚を鶏もも肉へ替える:400gを一口大に切り、香味野菜と一緒に煮て、中心まで75℃以上にします。魚の軽い香りがなくなり、肉のだしが前へ出ます。
  2. 魚介を強くする:魚を300g、えびを220gに分け、えびは最後の5分だけ加えます。えびを早く入れると身が硬くなるため、魚と同時に入れません。
  3. 葉の苦みを足す:バジルの半量を苦みのある葉へ替えます。最初から煮込まず、火を止める1分前に入れると香りが残ります。
  4. 辛さを丸くする:赤唐辛子を省き、赤パプリカを150gに増やします。色は残り、喉に残る辛さだけが弱くなります。
  5. 翌日にバンガライスへ寄せる:残ったスープを魚と分け、白ごはん200gと水50mlを加えて弱火で5分温めます。魚は最後に戻し、煮崩れを防ぎます。
白ごはん、キャッサバの主食、魚介入りのバンガスープを並べた三つの盛り付け
主食と具を変えると、同じバンガスープでも食卓の重さが変わる

保存は薄く冷まし、魚を含む分だけ温める

魚介入りのスープは、鍋ごと室温に置き続けません。

粗熱が取れたら浅い密閉容器へ一食分ずつ分け、調理後2時間以内を目安に冷蔵します。

FDAは、魚介を4℃以下で保管し、魚は中心温度63℃または身が不透明になりフォークでほぐれる状態まで加熱するよう案内しています。 FDAの魚介の安全な購入、保存、調理の案内を基準に、冷蔵分は2日で食べ切る計画にします。

冷凍する場合は、魚をスープから分けて一食分ずつ包むと、再加熱で身が崩れにくくなります。

再加熱は小鍋で沸騰させ、弱火で中心まで熱くします。

におい、表面のぬめり、色の異変があるものは食べず、味見で判断しないでください。

浅い保存容器に一食分ずつ分けたバンガスープと、再加熱用の小鍋
魚介入りのスープは浅い容器へ分け、必要な分だけ温める

よくある質問

パームナッツ濃縮液が見つからない時は、赤パーム油で作れますか?

赤パーム油だけでは、パーム果実の抽出液が作る濃度と丸い香りが出ません。

ココナッツミルクを足す方法もありますが、料理は別の魚介シチューに変わります。

バンガスープとして作るなら、まずは輸入食材店で「palm nut concentrate」「palm butter」「palm fruit concentrate」の表記を探してください。

バンガスパイスがないと味が決まりませんか?

現地の香辛料を使うとアタイコやオブルンベベの香りが加わりますが、初回は省略できます。

干しえび、しょうが、唐辛子、スイートバジルの順で香りを重ね、濃縮液を油が浮くまで煮詰める方が、名前だけ似たスパイスを足すより失敗が少なくなります。

魚が崩れてしまいました。戻せますか?

崩れた魚を元に戻すことはできません。

次回は魚を4cmより小さく切らず、最後の8〜10分だけ煮て、木べらで混ぜずに鍋をゆすります。

崩れた分はごはんにかけるソースとして扱えば、味は無駄になりません。

白ごはんで食べてもバンガスープですか?

食べ方は地域差があります。

デルタ州ではスターチと合わせる説明が多い一方、Ofe Akwu では白ごはんやヤムと食べる形が広く知られています。

白ごはんを選ぶ場合は、スープを少しゆるめに仕上げると、米にからみやすくなります。

甲殻類を避ける場合はどうしますか?

えびと干しえびを省き、白身魚を520gに増やします。

干し魚や魚醤を代わりに足す場合も、製品のアレルゲン表示を確認し、魚介を避ける必要がある場合は使いません。

バンガスープ、白ごはん、調味料を囲んだ食卓の一角
主食と魚介の組み合わせを選べるバンガスープ

あわせて作りたい西アフリカ料理

バンガスープの濃いソースが気に入ったら、同じナイジェリアのエグシスープで種子のとろみを比べると違いが分かります。

エフォ・リロは青菜と赤パーム油を前へ出す料理なので、バンガの魚介とは別の鍋の組み立てを覚えられます。

主食を手で食べる方向へ広げるなら、ガーナのフフが合わせやすい選択です。

ジョロフライスのような米料理へ進む場合は、残ったバンガスープを少量のごはんにからめ、油の重さを見ながら水でのばすと無理なくつながります。

バンガスープとエグシスープ、フフを並べた西アフリカ料理の食卓
同じ地域のスープと主食を並べると、香りの違いが見えやすい

主な参考リンク

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