濃いグレービーで煮込んだジャマイカのオックステール。ライスアンドピーズと焼いたプランテンを添えている
🔪下準備30分
🔥調理3時間20分
🌍料理ジャマイカ料理

ジャマイカのオックステール煮込み|骨付き肉をほろりと仕上げる

28分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 5

下味をつける

手順1: 下味をつける

牛テールの表面をペーパーで押さえ、塩8g、黒こしょう、しょうゆ、白ワインビネガー、しょうが、にんにく、青ねぎの白い部分、生タイムの葉、軽く潰したオールスパイスをボウルで混ぜます。

漬け汁が肉全体にまとわり、塩や香味野菜がボウルの底に残らない状態になればよいです。

スコッチボネットは切らずに加え、ふたをして冷蔵庫で2時間以上、できれば一晩置きます。

表面が湿っていても水がたまるほどなら、焼く前に取り出して軽く拭きます。

STEP 22 / 5

肉の表面を焼きつける

手順2: 肉の表面を焼きつける

牛テールを漬け汁から取り出し、漬け汁は残します。

片栗粉を薄くまぶし、厚手の鍋に油を入れて中火にかけ、肉を重ならないように並べます。

各面を2〜3分ずつ、合計10分ほど焼き、表面が赤茶色になったら取り出します。

白いまま次の工程へ進むと、煮汁の色と香りが弱くなります。

STEP 33 / 5

鍋底からグレービーを作る

手順3: 鍋底からグレービーを作る

同じ鍋に玉ねぎ、青ねぎの白い部分、にんじんを入れ、中弱火で5分炒めます。

にんにく、しょうが、タイム、トマトペースト、ブラウンシュガーを加えて2〜3分炒め、赤茶色の鍋底が香味野菜に移ったら、残した漬け汁と水100mlを注ぎます。

沸騰させて2分煮立て、木べらで底をこすり、肉を戻します。

STEP 44 / 5

弱い泡で肉をほどく

手順4: 弱い泡で肉をほどく

牛だしまたは水700ml、オールスパイス、青ねぎの青い部分を加え、肉の高さの7割ほどまで液体を入れます。

中火で沸かしたら弱火に落とし、ふたを少しずらして150〜180分煮ます。

鍋の表面に小さな泡が1〜2秒に一度上がる状態を保ち、液面が半分以下になったら熱湯を50〜100ml足します。

フォークを骨の横へ刺し、肉が抵抗なく沈み、骨の端が見えたら次へ進みます。

肉が骨からすっと外れる柔らかさで、表面の筋が硬く引っ張られなければ煮込み完了です。

STEP 55 / 5

バター豆を入れて仕上げる

手順5: バター豆を入れて仕上げる

バター豆は缶汁を捨て、粒のまま元の大きさと形を保ったまま鍋へ加えます。

ふたを外して中弱火で10〜15分煮、豆がつぶれず粒の形を保つところで止めます。

木べらを持ち上げたとき、グレービーが薄い膜になってゆっくり落ち、肉を動かしても骨から崩れすぎない状態が目安です。

塩、ホットソース、酢を少量ずつ調整し、火を止めて10分休ませます。

煮込みの完成は時間だけで決めず、肉が骨から外れるまで加熱してください。

残りを保存するときは浅い容器へ小分けして早く冷まし、再加熱する場合は料理全体を74℃まで温めます。

FoodSafety.govは、煮込み料理の冷蔵を3〜4日、冷凍を2〜3か月の目安として案内しています。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
21品目

材料

ジャマイカ風オックステール煮込みに使う牛テール、オールスパイス、青ねぎ、タイム、バター豆などの材料
香りを作るピメントと、辛さを調整するスコッチボネットを別々に用意する

4人分の分量です。 牛テールは骨が多いため、食べる部分だけで考えると少なく見える。 1人あたりの肉を増やしたい日は1.5kgまで増やし、煮汁を100mlだけ足す。

材料 分量 代替・備考
牛オックステール 1.2kg 3〜4cmの輪切り。なければ牛ショートリブ1.0kg
8g しょうゆとホットソースを増やす日は6g
黒こしょう 2g 粗挽き
片栗粉またはコーンスターチ 20g 表面に薄くまぶす。省略可
植物油 30ml 焼きつけ用
玉ねぎ 200g 1cm角
青ねぎ 70g 白い部分と青い部分を分ける
にんにく 20g 4片。みじん切り
しょうが 20g すりおろす
生タイム 6g 乾燥なら2g
にんじん 120g 5mm厚の半月切り
トマトペースト 30g ケチャップなら45g。甘みが増す
ブラウンシュガー 15g きび砂糖でも可
しょうゆ 30ml 大豆アレルギーがあれば塩6gに置換
白ワインビネガー 15ml 米酢でも可
オールスパイス(ホール) 5g 粉なら3g。香りはホールが長く残る
スコッチボネット 1個 切らずに加える。辛さ控えめは1/2個または辛口ソース5ml
牛だしまたは水 700ml 煮汁が減ったとき用に熱湯100mlも用意
バター豆の水煮 240g 水気を切る。白いんげん豆でも可
ライスアンドピーズ 600g 炊いたもの。白いごはんでも可
プランテンまたはバナナ 2本 斜め1cm厚に切って焼く

オールスパイスは、クローブ、ナツメグ、シナモンを混ぜた粉ではない。 一粒でそれらに似た甘い香りを出すため、材料表だけを見ると代用品を足したくなるが、同じ香りにはならない。 ホールを軽く潰して使うと、煮汁に香りが出たあと、食べるときに口へ粉っぽさが残りにくい。

この料理で先に買い足すなら、ホールのオールスパイスだ。 粉末をすでに持っているなら買い足さなくてよい。 これからジャマイカ料理や中南米料理を何度か作るなら、リンク先で「ホール」「100g」の表記を確認して選ぶと使い回しやすい。

ホールを潰すだけなら、厚手のコップの底や包丁の腹でも代用できる。 それでも乳鉢を買う意味があるのは、オールスパイスを粒のまま残して香りを調整したい場合や、にんにくとしょうがを一緒にペーストへしたい場合だ。 一度きりのオックステールなら見送り、スパイスを挽く料理が続くならリンク先で石製の乳鉢とすりこぎのセットかを確認する。

スコッチボネットは香りを残したまま辛さを移すため、初回は切らずに煮る。 生の実がなければ辛口のホットソースを5mlから始め、味見の最後に足す。 Jamaica Tourist Boardもスコッチボネットを風味豊かだが辛い唐辛子として紹介しているので、辛味の量を増やすより、入れるタイミングを分けるほうが食卓を調整しやすい。

代替の線引き

牛テールは牛ショートリブに置き換えられますが、骨の形とゼラチン質が変わります。 オールスパイスは粉末でも作れますが、五香粉で代用すると料理の方向が変わります。 スコッチボネットはハバネロでも辛さは出せますが、まずは少量のソースで調整するほうが安全です。

アレルギーと生肉の扱い

しょうゆには大豆が含まれます。 市販のホットソース、牛だし、ケチャップを使う場合は原材料表示を確認してください。 生の牛肉は水で洗わず、表面の水分をペーパーで押さえます。 まな板、ボウル、トングは生肉用と盛り付け用を分け、作業後は洗剤で洗ってください。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
153
kcal
10.5g
タンパク質
9.5g
脂質
7.5g
炭水化物
1.8g
食物繊維
375mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

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鍋のふたを開けるまで、味はまだ決まらない

想像してみてほしい。 木べらを鍋底に当てると、乾いた音が一度だけ返ってくる。 その直後、焼きついた牛テールに玉ねぎとタイムの香りが重なり、鍋の中が濃い茶色のソースへ変わっていく。

ジャマイカのオックステール煮込みは、骨のまわりの肉を時間でほどく料理だ。 最初から柔らかい部位を選ぶ料理ではない。 焼き色をつけ、香味野菜を鍋底で炒め、弱い泡を保ったまま煮る。 この順番を守ると、骨から外れる肉と、ライスアンドピーズへ絡むグレービーの両方が一つの鍋でできる。

ジャマイカ政府観光局の料理紹介では、オックステールはシチューピースやカレーゴート、ライスアンドピーズと並ぶ島の料理として紹介されている。 家庭料理をそのまま一皿に閉じ込めるのではなく、肉の濃さを豆入りのごはんで受け止める組み合わせまで含めて考えると、なぜこの煮込みが食卓で頼られるのかが見えてくる。

日本で一番迷うのは、材料を全部現地と同じにすることではない。 ピメントを混合スパイスに置き換えず、スコッチボネットの辛さだけを先に立てず、牛テールを沸騰で急かさないことだ。 残すべき味の芯は、ピメントの甘い香り、タイムと青ねぎの青さ、焼き色のついた濃い汁の三つ。

ライスアンドピーズを添えるなら、ジャマイカの豆ごはんの作り方を先に炊いておく。 肉が鍋の中でほどける時間を、米と豆が静かに待ってくれる。

鍋から取り分ける直前のジャマイカ風オックステール煮込みとライスアンドピーズ
濃い煮汁の鍋と豆ごはんを食卓へ運ぶ
表記をそろえる

Oxtail は日本の精肉店で「牛テール」「牛尾」と表示される部位です。 ジャマイカでいう pimento は、日本でいうオールスパイスを指します。 五香粉やシナモンの混合粉ではなく、オールスパイスの実または粉を使います。

グレービーを濃くする四つのコツ

木べらからゆっくり落ちるオックステールのグレービー
煮汁が木べらに薄くまとい、肉へ絡む濃さを見極める

煮汁の泡を大きくしない

沸騰を続けると水分が早く減り、肉が柔らかくなる前に鍋底が焦げやすい。 ふたを少しずらし、表面の一か所で小さな泡が出る火に合わせる。 鍋を揺すって肉を返すのは30分ごとに一度でよく、何度も混ぜて骨から身を崩さない。

焼き色は黒くすることではない

深い赤茶色は香ばしさと色を作るが、黒くなった鍋底は苦味になる。 肉を焼いたあと、鍋底に焦げた油が広がっていたら、肉を取り出して油を大さじ1だけ残す。 香味野菜を入れる前に、焦げた粒をペーパーで拭く。

辛さは鍋の外へ逃がせる

スコッチボネットを丸ごと煮れば、果物のような香りが移り、辛さは切り刻んだ場合より穏やかになる。 20〜30分で取り出せばさらに調整しやすい。 全員が辛いものを食べるとは限らない食卓なら、完成後にソースを添える方法を選ぶ。

一晩置くと脂を分けられる

鍋を冷まして冷蔵庫に入れると、表面の脂が白く固まる。 翌日に脂をすくってから温め直せば、グレービーの濃さを保ったまま重さを調整できる。 煮汁が固まるのは、牛テールのゼラチンが冷えたためで、失敗ではない。

煮込みの成否は、肉の柔らかさとソースの濃さを別々に確認すること。 肉がまだ固いのに煮汁だけを詰めると、焦げる。 肉がほどけたあと、ふたを外して10〜15分煮詰めると、二つの判断を分けられる。

日本の台所で残す味、変えてよい形

オックステール、ライスアンドピーズ、焼いたプランテンを盛ったジャマイカの食卓
濃い煮込みを豆ごはんと甘い焼きプランテンで受け止める

牛テールが見つからない日はショートリブ

BBC Good Foodのレシピも、オックステールが手に入らない場合の代替としてショートリブを挙げている。 ショートリブ1kgなら、煮込み開始から90分で一度フォークを刺し、肉の縮みと脂の量を確認する。 骨から外れる前に止めないが、牛テールと同じ3時間を固定すると、身が崩れて煮汁だけが残ることがある。

圧力鍋で時間を縮める

Grace Foodsのレシピには、焼きつけた牛テールを沸騰した水とともに25〜30分加圧し、その後に青ねぎ、タイム、赤ピーマン、バター豆、トマトを加えて仕上げる工程がある。 圧力鍋を使う場合は、機種の最低液量と自然減圧の指示を優先する。 加圧後にふたを急に開けず、肉の状態を確認してから豆を加える。

辛味を食卓で分ける

辛さを揃えたいなら、スコッチボネットは丸ごと一個で煮て20分で取り出す。 大人だけ辛くしたいなら、鍋には入れず、ホットソースを各自の皿で5mlずつ足す。 ソースは製品ごとに塩分と酸味が異なるため、塩を一度に増やさない。

ライスアンドピーズで汁を受ける

豆とココナッツの香りがある米は、濃いグレービーの受け皿になる。 ライスアンドピーズを添え、青ねぎを散らし、焼いたプランテンを2〜3枚置く。 白いごはんでも作れるが、味の重さを受け止める豆の食感は残らない。

翌日はパイの具にする

骨から肉を外し、煮汁を少し残して冷やす。 食パンで挟むより、パイ生地やマッシュポテトの下へ敷いて焼くと、濃いソースが流れにくい。 牛テールを使った料理が一度で終わらず、翌日の別の皿へ変わる。

鍋の背景にある、ジャマイカの食文化

ジャマイカの三脚鉄鍋、ピメント、タイム、青ねぎと豆ごはんの静かな食卓
一つの鍋と香味野菜が、複数の文化を受け止めてきた

ジャマイカ料理は、一つの国の一つの系譜だけで説明できない。 Jamaica 55の食文化史は、タイノ、アフリカ、ヨーロッパ、中国、インドなど、島へ来た人々が食材と調理法を持ち寄った結果として現在の料理が形づくられたと説明している。 観光局も、タイノ、アフリカ、アイルランド、イギリス、フランス、ポルトガル、スペイン、インド、中国、中東の影響を挙げる。

同じ資料は、スペインの影響として、塩漬け肉を使う豆料理、オックステール、牛足、揚げ物を紹介している。 この説明を「オックステールの起源はスペインだけ」と読み替えることはできない。 牛尾を煮る技術が島に持ち込まれ、そこへアフリカ由来の一鍋料理や、後の移住者が使ったしょうゆやしょうがのような味が重なり、現在の皿へ変わったと読むほうが正確だ。

ピメントは、ジャマイカでは食文化と農業の両方に関わる。 ジャマイカ情報サービスは、pimento が国際的には allspice と呼ばれ、実がジャークの調味に使われることを伝えている。 NEPAの資料は、Pimenta dioica が島の全14教区に分布し、果実がジャークシーズニング、木が肉の香りづけに使われると説明する。 この煮込みで使うのは木ではなく実だ。 木の煙を足せない日本の鍋でも、実を軽く潰して煮汁に入れるだけで、クローブに似た甘い香りが土台に残る。

オックステールは、BBC Good Foodが働く人々の料理と資源を活かす知恵に根ざした料理として紹介している。 ただし、現在の日本では牛テールが必ず安いとは限らない。 手に入りにくさや価格が理由でショートリブへ変えるなら、料理名と部位を正直に分け、ピメント、タイム、青ねぎ、濃い煮汁という味の設計を残せばよい。

鍋を開けたときに見えるのは、単なる茶色い煮込みではない。 島の歴史が一皿に縮んでいる、と大きく言い切る必要もない。 異なる来歴を持つ香りが、骨付き肉を柔らかくし、豆ごはんの上へ流れる汁へまとまっている。 その具体さが、この料理を日本の台所で作る理由になる。

よくある質問

冷蔵保存したオックステールを浅い容器から小鍋へ移して温め直す様子
煮込みは浅い容器へ小分けし、食べる分だけ温め直す

牛テールはどこで買えますか?

精肉店で「牛テール」「牛尾」と伝え、3〜4cmの輪切りを頼むのが確実です。 一般のスーパーで見つからない場合は、冷凍の輸入牛を扱う通販や業務用の精肉売り場を探します。 ショートリブに変える場合は、脂の厚い骨付き肉を選び、煮込み時間を90分から確認してください。

オールスパイスは粉末でも作れますか?

作れます。 ホール5gの代わりに粉3gを使い、材料を炒める段階ではなく、煮汁を注ぐときに加えます。 粉は香りが早く出るため、強く感じたら追加せず、煮込みの最後に塩と酢で全体を整えます。

スコッチボネットが辛すぎる場合は?

丸ごと煮て20〜30分で取り出し、辛さを確認します。 切り込みを入れたり種を刻んだりすると辛さが急に広がるため、初回は触らずに使います。 生の実がなければ、辛口ホットソースを5mlずつ皿へ足してください。

圧力鍋を使うときの時間は?

Grace Foodsのレシピでは、焼きつけた牛テールを25〜30分加圧し、減圧後に野菜とバター豆を加えて10〜15分煮ています。 機種ごとに最低液量と減圧方法が違うため、時間だけを流用せず、説明書の上限を優先します。 肉が骨から外れない場合は、追加加圧または鍋での弱火煮込みを、機種の指示に従って調整します。

残った煮込みはどれくらい保存できますか?

鍋のまま室温に置かず、浅い容器へ小分けして冷まします。 冷蔵は3〜4日、冷凍は2〜3か月を目安にし、食べる分だけ鍋で中心まで熱くします。 FoodSafety.govの基準では、煮込み料理や調理済みの肉は冷蔵3〜4日が目安です。 酸っぱい匂い、ぬめり、見た目の変化があれば日数に関係なく食べません。

主な参考リンク

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